娘1のサヨナラ特別番組
コロナの皺寄せもあり、退団が続く宝塚。
トップスターはもちろん、路線スターや管理職、劇団に貢献度の高い生徒はサヨナラ番組が放送されます。
いつも楽しみにしているのは
娘1(トップ娘役)のサヨナラ特別番組の題名。
その人その人によって題名が違うのが楽しい。
今日は最近の娘1のなかで
良いなぁと思ったものについて。
⭐︎実咲凜音
「すみれ色のDiva」
みりおんと言えば美しい歌声。
芯の通った発声だからこそ、
内なる強さを秘めた女性を歌で表現できる。
お芝居では硬質に感じられることはあったけれど、
あの当時は歌える娘1は貴重だったね(遠い目)
トップになってからエトワールを4回(特出を含めると5回)もやる、まぁまぁ異例な娘役。
誰も文句なしの(むしろエトワールでしか出番なくてかわいそうだねと)、美しい歌声を劇場に響かせていた。
Diva、つまり歌姫。
宙組の歌姫として相応しい娘1。
組(カラー)と宝塚を象徴する花を添えるなんて素敵な題名。
⭐︎夢咲ねね
「Star⭐︎Princess 」
はい、姫〜
って感じですね(笑)
この、間に⭐︎が入る感じがものすごくねねちゃん。
キランっていう効果音付き。
でも実際、お姫様役はほとんどやっていない。
むしろ現代的な大人の女性ばかり。
それなのに宝塚をよく見る人からしたら
可愛い、キュート、というイメージが先行するのは
夢咲ねねというキャラクターの作り方がうまかったんです。
日本人離れした圧倒的なスタイル、
どんなに個性的(ダサい)お衣装でも着こなしてパリコレになるマジック、
登場するだけで目を引かれる華やかなオーラ。
だけどお料理やヘアアレは苦手で、
技術面でも器用にこなせないから直向きに頑張る。
そんなカンペキじゃない姿こそが魅力だったんだなと。
同じタカラジェンヌがねねさんは可愛い、ねねさんみたいになりたいと憧れることに納得しかない。
星組のプリンセスと言えば、今でも夢咲ねね。
(そしてその系譜を受け継ぐあーちゃん)
⭐︎花乃まりあ
「花のようにほほえんで」
という理由ではない。
マイナスからスタートした娘1だったけれど、
最後には相手役ファンにも組ファンにも惜しまれて退団した。
大劇場4作、2年という短い期間で
娘役としての成長を見せた。
透明感のあるビジュアル。
歌と踊りは可もなく不可もなく(正直でごめん笑)
でも、どんな役でも、舞台上で自然に生きることができた。
ハマり役は人間味のある自立した女性。
強い女性を演じていても、人間らしい可愛げを残せる娘役。
花乃まりあとしてパフォーマンスするのが苦手、
と自分で語っていたようにショーになると控えめになる、ちょっとアンバランスなところがかのちゃん。
咲いた期間は短いけれど、
確かにそこに存在したことが香りで残る、
そしてその香りを忘れることはない、
そんな花。
〜番外編〜
⭐︎花總まり
「タカラヅカの花よ、永遠に…」
この題名だけで全てが伝わる、
圧と説得力。
スゴツヨ、お花様。